職人の思い 手に取って 奥州・南部鉄器まつり開幕 3年ぶり対面販売
第43回奥州市南部鉄器まつり(実行委主催)は24日、同市水沢羽田町の市鋳物技術交流センターと市伝統産業会館で始まった。新型コロナウイルスの影響でオンライン開催が続いていたが、感染防止対策を取って3年ぶりに通常開催。南部鉄器即売会をはじめ各種イベントを繰り広げ、関係者が同市の伝統産業をアピールしている。25日まで。【13面に関連】
消費者に南部鉄器の良さを認識してもらい、販路と需要の拡大を図り、鋳物産業の活性化を目指す恒例行事。今回は「新しいノスタルジーとの出逢(あ)い 身近な○○再発見!」をテーマとし、感染防止対策で飲食コーナーは見合わせたものの、ほぼコロナ禍前の内容で開催した。
主会場は同センターで、水沢鋳物工業協同組合所属の12社が出店。初日は南部鉄器を最大4割引きで販売する即売会をはじめ、全国弁慶鉄下駄(げた)飛ばし大会などが催され、にぎわいを見せた。
及川貢基実行委員長は「原材料価や輸送費の高騰のほか電気代の値上げも見込まれ苦しい中だが、ここでしか買えない商品や復刻商品を用意した出店者もあるし、直接注文を受ける機会にもなる」とPR。菊池鋳造所(同市水沢羽田町)の菊池夕起さん(57)は「オンラインでも多くお求めいただいたが、手に取って用途を聞き買っていただけるのが一番。職人たちの思いがこもった対面販売で、若い人もみんなこの日を励みに頑張ってきたので開催はありがたい」と話していた。
最終日は午前9時~午後4時。南部鉄器即売会のほか、初開催のクラフト販売会、鉄神ガンライザーNEO撮影会(午前10時)、市内厄年連の演舞披露(午後2時)などが予定されている。
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