黄金の棚田眺めラン 東和・交流イベント 3年ぶり開催【花巻】
棚田を見ながらのんびり走る交流イベント「東和棚田のんびりRun」が24日、花巻市東和町内で開かれた。3年ぶりの開催で、灰色の空と雨が続く一日となったものの、県内外の参加者が鮮やかな黄金色の稲穂が揺れる秋の東和路を満喫した。
田園風景や史跡など東和地域の豊かな地域資源を楽しんでもらう「東和農旅」の一環で、2018年度に始まったイベント。新型コロナウイルスの影響で実行委のメンバーが走りながら映像を配信するオンライン開催に切り替えるなど、参集しての開催は3年ぶりとなった。
今年度は北は青森県、南は神奈川県から101人がエントリー。小学3年生から70代までのランナーが、東和地域で江戸時代に相次いだ百姓一揆にちなみほら貝の合図で東和温泉正面玄関前を秋の東和路へと一斉に駆け出した。
温帯低気圧の影響で時折雨が強く降ったものの、ランナーは棚田をはじめとする田園風景、中世の山城や南部曲家など史跡や文化財を見たり、エイド(飲食の補給場所)では東和自慢のリンゴや農家の手作りおやつなどを味わったりしながら、思い思いのペースでゴールを目指した。
高校時代の同級生でテニス仲間の北上市上野町の千葉久美子さん(65)と同市和賀町の田鎖幾子さん(66)は3年ぶりの出場。「心細くなりそうな場面でも要所にエイドがあり、ボランティアの助けやサポートがあって無事に完走できた」、「景色が良く、民家の家族が手を上げて応援してくれたのがうれしかった」などと汗を拭い、達成感のある表情を見せた。
イベントは約200人のボランティアがサポートし、多くの地域住民が沿道で応援した。同実行委の川村智子会長は「生で棚田の景色を見てもらいたいと始めたイベント。3年ぶりの(集まっての)開催に心配もあったが、皆さんの協力のおかげで無事に開催でき、自他ともに楽しむことができたと思う。来年の開催に向け参加者、地域の輪を広げていきたい」と話していた。