奥州・金ケ崎

「百鹿大群舞」高評価 地域伝統芸能で活用賞 江刺鹿踊保存会【奥州】

奥州市江刺鹿踊保存会が地域伝統芸能大賞活用賞を受け、受賞式での演舞に向け稽古に励む舞い手

 奥州市江刺鹿踊(ししおどり)保存会(菊池司会長)は、地域伝統芸能活用センター(東京都)による2022年度地域伝統芸能大賞の活用賞に選ばれた。伝統芸能を生かした行事の実施で大きな貢献があった団体などに贈られる賞で、江刺甚句まつりやみちのく盂蘭盆(うらぼん)まつりで繰り広げられている「百鹿大群舞」が高く評価された。授賞式は10月8、9の両日に山口市で開かれる第30回地域伝統芸能全国大会の席上で行われ、舞い手による演舞も披露される。同大会で贈られる賞を市内の団体が受けるのは初めて。

 同大会では、伝統芸能を活用し観光・商工業などの発展に寄与した個人・団体をたたえている。1993年に創設され、同センターが設置した選考委が審査。高円宮殿下記念地域伝統芸能賞をはじめ、▽保存継承▽活用▽支援▽地域振興―の各地域伝統芸能大賞などがある。今年度県内で入賞したのは同保存会のみ。

 同保存会には江刺地域で鹿踊を継承する14団体が所属し、現在舞い手の年齢は10~70代。百鹿大群舞は85年、JR東北新幹線水沢江刺駅の開業記念事業として、同地域内の団体が流派を超えて同時に踊れる演目として作られた。多人数が前提のため、1年間でも見られる機会は少なく、両まつりの呼び物となっている。天皇陛下の即位に合わせたパレードなど、県外での大型公演にも出向いてきた。

 新型コロナウイルスの影響で披露の場が減り、今年のみちのく盂蘭盆まつりが久々の機会となった。菊池会長(75)は「最近は稽古さえできておらず、みんなが待ち焦がれていた」と振り返る。

 27日には市役所江刺総合支所で同大会に向けた4回目の百鹿大群舞の練習が行われた。同大会当日に出演するのは、所属団体から集まった15人。本番前に装束を身に着けて舞うのは最後といい、引き締まった雰囲気で舞を確認していた。

 菊池会長は「大規模な公演や、活動を通じた地域の活性化につながったことが評価されたと思う」と受賞を受け止め、同大会に向けて「県と市を何とか宣伝したい」と語っている。

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