熟練の職人技に感嘆 カシミヤ製品作り体験 UTO岩手工場【北上】
カシミヤニット製造・販売のユーティーオー(UTO、本社東京都港区、宇土寿和代表取締役)は1日、北上市下江釣子の同社岩手工場で「カシミヤづくり体験」を開いた。県内をはじめ首都圏や仙台市から11人が参加し、熟練の手業によって生み出される“メード・イン・北上”の魅力を体感した。
同社は1992年に創業し、2011年9月に高品質のカシミヤニットを製造する岩手工場を設立。製品一枚一枚について、最高級の糸を使用し設計から仕上げまで一貫して職人の手によって丁寧に作り上げられており、多くの“UTOファン”を獲得している。
同社製品は北上市のふるさと納税返礼品に採用され人気を集めているほか、カシミヤ100%の「天使の栞(しおり)」は、売り上げの一部を東日本大震災復興支援として毎年同市に寄付している。
創業30周年を記念して企画された今回の体験会は、自らのオーダー品の製作体験や見学を通してUTOのものづくりをより深く知ってもらおうというもの。参加者は玉澤宏美工場長の案内で、プログラミング、編み立て、リンキング、仕上げなどの各工程を見て回った。
細かな編み目をつなぎ合わせるリンキング工程では、円盤状にずらりと並んだリンキングマシンの針にストールの編地を一目一目に刺してつなぎ合わせる作業に挑戦。何度も目落ちしてやり直すも最後まで通すことができない参加者がほとんどで、1~2分で鮮やかに仕上げる職人技を目の当たりにし驚きの声を上げていた。
参加した北舘葉子さん(盛岡市)は「自分も編み物をするが、岩手でこんなに素晴らしい商品を作っているんだなと感動した」と語り、玉澤工場長は「普段は黙々と製品作りをしているので、(体験会は)お客さまの生の声を聴くことができて良い刺激になった」と笑顔で話していた。
宇土代表取締役は「当社製品は身に着ける人が精神的に満足できる“着るごちそう”を目指している。そうした世界に誇れる製品作りを北上工場の若い職人たちが支えてくれており、今後も体験会などを通してお客さまとの絆を深めていきたい」と語った。
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