北上・西和賀

デンソー岩手が最高賞 QCサークル青森岩手地区 改善事例発表大会【北上】

県知事賞に輝き、賞状を受けるデンソー岩手の小野寺さん(右)

 QCサークル(小集団改善活動)の青森岩手地区小集団改善事例発表大会は7日、北上市文化交流センターさくらホールで開かれた。青森、岩手両県の製造業を中心とする8団体が仕事の質改善、課題解決に向けた活動成果を披露。ベテランと若手一体で改善に対応したデンソー岩手のサークルが、最高賞の県知事賞に輝いた。

 QCサークルは、各職場の労働者が継続的に仕事の質管理や改善を行う小グループの活動。1962年の誕生以降日本の産業発展に寄与し、多種多様な業種や部門に広がっている。

 大会では改善活動に取り組んだ各社のサークル当事者らが登壇し、製品不良の低減、修理費軽減、労災防止、作業効率化などをテーマに発表。主催者のQCサークル東北支部青森・岩手地区の幹事5人が審査した。

 デンソー岩手の小野寺悠斗さん(24)は、定年間近なベテランと若手の計6人で課題解決に取り組んだ事例を発表。「現状を変えたくない職人気質のベテランたちと、早い技能伝承を望む若手に見えない壁があったが、若手は工夫を凝らして最短の作業時間にこだわった」と説明した。

 職場の目立つ場所にボードを設けて情報共有し、インターネット交流サイト(SNS)も用いて情報伝達を迅速化。治具交換作業で発生したエラーの要因をチーム一体で解析し、新たな道具を作り改善した。「若手の情熱とスキル向上がベテランのやる気に火をともし、コミュニケーションも円滑になった。メンバーの心が一つになり、見えない壁を突破した」と述べた。

 最高賞に小野寺さんは「うれしい。チーム全員で他部門とも協力し最後までやり切ることができた」とし、「ベテランの方々の経験、技術は(自身が)留学先で覚えた以上だった。ここからが技能伝承させていただく本当のスタートライン」と先を見据えた。

 地区長賞はトヨタ自動車東日本岩手工場、特別賞の北上市長賞には岩手村田製作所久慈工場の各サークルが選ばれた。前川芳樹地区長は「どの発表もレベルが高く、点数をつけるのが難しかった。目的は人材育成。困りごとの改善へ、今後も楽しく活動してほしい」と語った。

 知事賞、地区長賞の両サークルは2023年7月に秋田県で開かれる東北支部総合大会に出場する。

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