田んぼアート出来秋喜ぶ 地元住民が稲刈り 石鳥谷・八幡【花巻】
花巻市石鳥谷町八幡地内の圃場(ほじょう)に植えられた「八幡田んぼアート」の稲が収穫期を迎え、地元住民ら約70人が参加して8日、稲刈りが行われた。参加者は鎌やバインダーで刈り取り、出来秋を喜ぶとともに、外套(がいとう)をまとった宮沢賢治の図柄に別れを告げた。
八幡まちづくり協議会(伊藤成子会長)が、交流人口の拡大を通じた地域活性化や食育推進などを目的に2010年度から実施。今年度は5色の有色稲を使い分けて、賢治のシルエット、「雨ニモマケズ」の一節と地元小学校の節目を祝う「祝八幡小150周年」の文字を描き出した。
6月4日に約30アールの圃場に田植えを行い、生えそろい始めた7月中旬以降は観賞する来訪者でにぎわった。
稲刈りには、地域住民をはじめ、地元の同小6年生とその保護者が参加。鎌などで1株ずつ刈り取り、稲の色ごとに束ねてはせ掛けにし、天日干しにした。
小学2年生の頃から参加する八幡小6年佐々木瑠和さん(12)は、前日からの降雨でぬかるむ田んぼに足を取られながらも手際よく稲を刈り取り、母絢子さん(41)は「近年は手刈りや泥んこになる機会は少ない。良い経験になったと思う」と目を細めた。
天日干しにした稲は11月に脱穀。伊藤会長は「共同で稲刈りをすることで相手のことを思った言葉を掛けたり、行動ができたりする。地域のみんなで作った米。収穫した米はみんなのために貢献できる使い方をしたい」と話していた。