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過去最高値 18リットル1962円 物価高騰下、家計を応援 県生協連灯油委

最高値の灯油価格を決定した県生協連の灯油委員会

 灯油の需要期を迎え、県生活協同組合連合会(飯塚明彦会長理事)は12日、2022年度最初の灯油委員会を盛岡市内で開き、冬季の灯油価格を決定した。21日~11月19日の1カ月間、1リットル当たりの配達価格を税込み109円に設定。シーズンインの価格としては過去最高値だった08年度の105円を上回り、1缶(18リットル入り)は1962円になる。相次ぐ物価高騰で家計の負担が増す中、県生協連は「家計応援のためにも1缶2000円を切る価格でスタートさせる」とし、プライスリーダーとしての役割を果たしていきたい考えだ。

 いわて生協、県学校生協、県生協連から13人が出席し、今年度の取り組み計画などを報告した。

 新型コロナウイルスやロシア・ウクライナ情勢などの影響で高値水準にある原油価格は、円安による物価高や石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国で構成するOPECプラスによる減産見通しなどで、前年度以上の上昇が見込まれている。

 県生協連は、こうした世界的な情勢や国の補助金の行方など不確定要素が多く、長期見通しが難しいことや、コロナ禍による所得減少、物価高騰で県民の暮らしが厳しいことなどに配慮し、1缶2000円を超す県平均を下回る価格に設定することで、市況の価格上昇抑制につながるような価格を設定した。

 県生協連によると、高値だった前年同期より1リットル当たり7円、1缶当たり126円高く、家計にとっては一層厳しい冬となりそうだ。情勢の変化によっては期間途中でも価格を変更する場合があるとしている。

 灯油価格の設定はオイルショック後に始まり、設定した価格は1980年代以降のシーズンインとしては過去最高値となる。

 県生協連の吉田敏恵専務理事は「物価高騰などで県民が家計を切り詰めている中、便乗値上げが起きないよう少しでもセーブした価格を設定し、冬季の灯油負担を少なくしたい」と説明。今後については「円安などで高値が続く可能性があり、政府の補助金による支援は続けてほしい」と話している。

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