一関・平泉

郷土芸能の神髄 自然の恵み感謝 厳美でヘンバイバライ【一関】

行山流舞川鹿子躍など六つの郷土芸能が披露された「ヘンバイバライ2022」

 岩手が誇る郷土芸能の本質や魅力にスポットを当てた郷土芸能と食の祭り「ヘンバイバライ2022」(京屋染物店主催)は16日、一関市厳美町の祭畤スノーランドで開かれた。鹿(しし)踊りや神楽など6団体による演舞をはじめ、シカの解体見学・体験やイワナのつかみ取り体験といった食育ワークショップなどが繰り広げられ、家族連れや郷土芸能ファンらが多彩な催しを楽しんだ。

 イベント名にもなっている「反閇(へんばい)」とは、邪気を払い除くためや鎮魂のために大地を踏みしめる芸能特有の足さばきを意味し、県内に伝わる多くの郷土芸能に見られる特徴という。大地を清め、自然の恵みに感謝し、無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を願う「反閇祓(へんばいばらい)」が芸能の本質とし、こうした奥深さを知ってもらうとともに、発表機会を提供することで郷土芸能の継承につなげようと開催された。

 屋外では、行山流舞川鹿子躍(ししおどり)保存会(橋階敏男会長)による「鹿供養唄上げ」に続いて6団体が順番に登場。このうち、舞川中学校の生徒たちは行山流舞川鹿子躍を発表し、勇壮な演舞で見物客を楽しませた。

 演舞後には来場者から「久しぶりに見ることができて感動した」という感想も寄せられ、小野寺琥太郎さん(15)は「みんなが喜んでいたのでうれしかった。これからも先輩たちの踊りに近づけるように頑張りたい」と張り切る。

 小学時代から踊り続けて20年以上という同保存会事務局の佐藤麻衣さん(38)は「戦時中を除いて続いてきた郷土芸能を途絶えさせてはいけないと思っている。今の子供たちが(将来地元に)戻ってきて踊れる場所を残しておきたい」と話していた。

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