花巻

初動態勢 万全に 旅客機の消火救難訓練 花巻空港

負傷者のトリアージを行う救急隊員(手前)と、救護所へ負傷者を運ぶ消火急難隊

 花巻市のいわて花巻空港で18日、旅客機からの出火を想定した消火救難訓練が行われた。航空需要の回復で今後の旅客数の増加が見込まれる中、空港関係者で組織する消火救難隊や消防、警察などが万が一に備え、消火作業や負傷者の救助、救護活動などの手順を確認した。

 訓練は旅客機の緊急事態に対処するため、花巻空港消火救難隊の初動態勢を確立、検証するとともに、関係機関との連携による迅速で適切な消火救難活動を実践するのが目的。前年度の訓練の反省を生かして2年連続の総合訓練となった。

 滑走路に着陸して地上を走行中の旅客機から発煙し、乗客乗員の緊急脱出のためウエストエプロンで停止したが、脱出開始前にエンジンから出火、炎上したとの想定で実施。22の機関から約90人、消防車や救急車など15台余りの車両が参加した。

 消火活動に続き、救助隊が機内から10人の負傷者を避難誘導、運び出して担架に乗せ、救急隊員らが傷病者の治療優先順位を決めるトリアージを行った後、重症度に応じて設営した救護所へ傷病者を運び込み、DMAT(災害派遣医療チーム)の医師や看護師が応急救護、救急搬送するまでの手順を確認した。

 花巻空港事務所の菊池晋所長は「空港活用を発展させる大前提として、航空機の安全・安心の体制構築が大切だ。万が一の場合は人的被害を最小限にとどめるため、消火救難活動を迅速に行う必要がある。手順を実際の行動として確認できたことは有意義であり、反省点を今後の改善につなげたい」と話していた。

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