北上・西和賀

憩いの釣り堀 歴史に幕 「楽しい36年」佐藤店長回顧 江釣子【北上】

多くの親子連れらでにぎわう江釣子つり堀センター=16日

 街中のレジャースポットとして多くの市民らに親しまれてきた北上市北鬼柳の江釣子つり堀センターは、23日に36年の歴史に幕を下ろす。店の入口に掲げられた「閉店のお知らせ」を目にした親子連れらからは「とても残念。子供にも遊びやすい場所なのに」と閉店を惜しむ声が聞かれた。オープン当初から携わってきた佐藤智恵子店長(65)は「私も残念な気持ちだが、体力的に無理が利かなくなり、代わりの人もいないので」と話している。

 江釣子地区は古くから水が湧き出る場所「すず」が数多くあり、生活用水や農業用水などに利用されてきた。

 同センターは、もともとはスイレン畑だった場所。当時の江釣子村長らの発案で、「すず」を活用した憩いの場にしようと1986年にオープンした。江釣子村養魚等生産組合が事業主体となり、広場全体は2441平方メートル、池は約656平方メートルで、木造平屋建ての管理棟のほか、当初はあずまやも設けられていた。

 池にはイワナやニジマス、コイなどが放流されている。釣った魚は全て客が買い取る仕組みだが、1匹50円で炭火焼きにしてくれるサービスもあり、その場で焼きたての魚をおいしそうに頬張る家族連れも多い。

 「最初は魚の区別がつかず、ここで見分け方を教えてもらった」と話す佐藤店長。「魚を下ろして焼くのが担当なので、ずっと立ちっ放しで昼食を取れないこともあった。暑い日の炭火焼き、その上コロナ禍でマスク。夏は大変でした」と笑う。

 一番気を遣ったのが水の管理。地下水をくみ上げてはいるものの水温が高くなると魚が弱ってしまう。「水が止まっていないか心配になり夜中に様子を見に来たことも何度かある」と語る一方で、「釣り堀ではしゃぐ子供たちの笑顔と、焼きたての魚を『おいしい、おいしい』と食べる様子が何よりの励みだった」と懐かしむ。

 佐藤店長は「小さい頃に来て、結婚してから子供を連れて遊びに来る人も多い。大きな事故もなく、多くの人の協力があってここまでやってこれた。大変ではあったが、とても楽しい36年だった」と穏やかな表情を見せた。

 営業時間は平日・土曜が午前11時(日曜は9時)~午後5時だが、魚がなくなり次第閉店する。

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