花巻

西棟東辺が確定 市教委・29日現地説明会 土台跡を検出 花巻城跡・本丸御殿

今年度調査で検出された南北に並ぶ本丸御殿西棟東辺部の土台跡の集石遺構。手前が北

 花巻市教委が、同市城内の花巻城跡(鳥谷ケ崎公園)で進めている2022年度の発掘調査で、本丸御殿西棟の東辺部土台跡とみられる集石遺構が見つかった。また西棟と廊下で接続されていると推測される東棟は、西棟より低く整地された場所に建物が建てられていた可能性があることが分かった。

 発掘調査は、市教委の(仮称)花巻城跡保存計画策定に向け2016年度に始まった内容確認調査の一環で、本丸跡については18年度から実施。本丸には主要建造物である御殿が建ち、前年度までの調査で御殿の南辺部の位置が特定されている。

 22年度は御殿の位置と規模を把握するためさらに調査区域を広げ、御殿(西棟)北東隅と推測される場所を調査しているほか、御殿絵図面に記された西棟と東棟をつなぐ廊下があると推測される位置と構造の把握を目的に実施している。

 8月下旬に調査を開始し、これまでに建物の柱を支える礎石下の根固め石とみられる集石遺構(土台跡)15基を新たに検出。土台跡の分布をみると、西棟の東辺で南北に配列する形状が確認された。

 また絵図面で東棟と西棟を結ぶ廊下があったと推定される場所では、東西にトレンチ(試掘坑)2本を入れたところ、廊下につながる遺構は検出されていないものの、御殿が建つ整地層が西棟に比べ東棟が一段低くなっていることが分かった。調査区域からは陶磁器片や瓦片などの遺物も出土している。

 調査は11月上旬までを予定しており、調査を担当する市教委文化財課の菊池賢上席主査は「御殿(西棟)の東辺部分が確定できた。東棟は西棟より一段低い場所に建物が構築されていた可能性があり、図面だけでは分からない御殿の姿が徐々に分かってきた」と成果を語る。

 市教委は、29日午前10時30分から現地を一般に公開し調査成果を説明する。事前申し込みが必要で、定員50人になり次第締め切る。

 問い合わせは市総合文化財センター=0198(29)4567=へ。

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