北上・西和賀

会心の演奏2年連続金 上野中 周囲の支えに感謝 全日本吹奏楽コン【北上】

全日本吹奏楽コンクールで2年連続3度目の金賞を受賞した上野中学校吹奏楽部の部員たち=22日、名古屋市・名古屋国際会議場(同部提供)

 22日に名古屋市の名古屋国際会議場で開かれた第70回全日本吹奏楽コンクール(全日本吹奏楽連盟など主催)中学校の部で、北上市立上野中吹奏楽部が2018年、21年に続き2年連続3度目の金賞を受賞した。部員45人が感謝の気持ちを込め、低音から高音まで一糸乱れぬ「上中サウンド」を響かせ、今年も金賞の栄誉に輝いた。

 中学校の部には、全国各地区予選を突破した30校が出場。東北代表で4年連続6度目の出場となった上野中は、後半12番目に登場した。課題曲「やまがたふぁんたじぃ 吹奏楽のための」では郷愁と懐かしさを感じさせる演奏を繰り広げ、自由曲「ドラゴンの年」も情感たっぷりに、複雑な連符を高い技術力で奏でた。金賞は同部を含む10校が受賞した。

 昨年は入場制限があったが、今年は制限がないため来場はほぼ満員の約3500人。伊藤心菜部長(3年)は「今まで無観客の大会が多かっただけに大勢のお客さんを前にして緊張したが、最後の最後まで集中力を切らさずに(同部が信条とする)『感謝、感動、笑顔』の演奏ができた」と強調。昨年に続く金賞へ「プレッシャーはあったが、私たちの特長の低音から高音まで一糸乱れぬ、最高の演奏を名古屋のホールに響かせることができた」と会心の演奏を振り返った。

 同部は新型コロナウイルスの影響もあり9月に2週間、練習がストップ。本来、全国大会に向け追い込む時期だけに「焦りもあったが、ピンチでも徹底して個々の課題をクリアしていく練習に集中した」(伊藤部長)という。本格的な全体練習開始は全国大会の1週間ほど前にずれ込み、課題があればパートごとに妥協なく修正。一音でも説得力のある音にしようと、全体の仕上げは当日の本番直前まで及んだ。

 困難を乗り越え、つかんだ金賞に伊藤部長は「驚きとともに、うれしい気持ちが大きい。今までお世話になった方々に金賞という形で、感謝の気持ちを届けられた」と喜びを語る。顧問の柿沢香織指導教諭も「全体練習が足りない中でも、みんなよく頑張ってくれた。序盤は緊張していたがすぐに切り替え、どんどん集中力が高まった。今の時点で一番の演奏ができた」と目を細めていた。

 同部は11月3日午後2時から、北上市文化交流センターさくらホールで演奏会を開き、金賞受賞を報告。入場無料だが、整理券が必要。問い合わせは同校または同ホールまで。

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