一関高専 プラチナ大賞 認知症早期発見機器開発
地域課題の解決に向けた先進的な社会モデルをたたえる「第10回プラチナ大賞」の表彰式が24日、東京都内で行われた。最終審査に残った自治体や企業など15件の発表が行われ、大賞・経済産業大臣賞は、歩き方から認知症を早期に発見する機器を開発した一関工業高等専門学校(一関市)が受賞。大賞・総務大臣賞は、鉄路と道路両方を走るデュアル・モード・ビークル(DMV)を世界で初めて営業運行した徳島、高知両県などの第三セクター「阿佐海岸鉄道」(徳島県海陽町)が選ばれた。
一関高専は認知症患者特有の歩き方を関知する靴の中敷き型のセンサー「D―walk」を開発。予防にもつながるとして高い評価を受けた。開発者の一人で専攻科1年の菊地佑太さんは「学生ベンチャーなので、勉学と起業の二刀流でプロジェクトを進めていきたい」と抱負を語った。
阿佐海岸鉄道はバスのような車体に鉄車輪とタイヤを装備したDMVを昨年末から導入。鉄道より維持コストが抑えられるため、新たな公共交通として海外からも注目を集める。飯泉嘉門徳島県知事は「(利用低迷で)廃止の危機にある全国のローカル線やバス路線を救う起爆剤になる」と期待を寄せた。
プラチナ大賞は一般社団法人プラチナ構想ネットワーク(会長・小宮山宏三菱総合研究所理事長)などが主催。総務、経産両省や時事通信社などが後援している。【時事】