冬ごもりへ雪囲い 須川高原温泉 31日営業終了【一関】
岩手、宮城、秋田の3県にまたがる栗駒山(1626メートル)の8合目に位置する一関市厳美町の須川高原温泉は、31日午後5時で今季の営業を終了する。冬ごもりに向けて、建物を守る雪囲いの作業が従業員によって着々と進められている。
同温泉は豪雪地帯にあり、冬期間は休業となる。今季は19日に自炊部、25日に旅館部の営業を終了。冬期間に積雪で窓ガラスが割れないよう、客の受け入れを終えた施設から建物の窓辺に戸板を打ち付ける作業を少しずつ進めてきた。戸板は150枚ほどもあり、施設管理担当のほかにフロント担当の従業員も加わって金づちを振るっている。
27日は最低気温が一関で11月下旬並みの1度、千厩で12月上旬並みの氷点下1・5度(盛岡地方気象台調べ)まで冷え込んだものの、日中は青空が広がった。同温泉の周辺には多くの登山客や入浴客が訪れ、晩秋の景色を楽しんでいた。
今季の同温泉は、「須川アニバーサリー」と銘打って創業65周年記念の特別プランや催しを実施。栗駒山の岩手側登山道「須川コース」で苔花台―昭和湖の通行止めが9月9日から10月16日までの期間限定で解除されたことを受け、記念イベント「おかえり昭和湖」も行った。内湯大浴場(須川の湯)露天風呂では、外の景色を眺めながら入浴できるよう、木製の塀に大型の窓を設置した。
千葉敏則支配人は「温泉を楽しみに来てくださるお客さまに支えられている。来季の施策も考えていきたい」と振り返っていた。
日帰り入浴は31日まで午前9時~午後5時に受け入れる。来年5月の営業再開を見込んでいる。
同温泉を通る国道342号真湯―須川高原温泉間(延長14・9キロ)は11月4日正午に閉鎖される予定。