北上・西和賀

道路構造物の状況理解 3年生が橋梁点検 黒工高土木科【北上】

永沢橋を点検する黒沢尻工高土木科3年生ら

 土木技術者の確保や育成につなげようと、県は31日、北上市村崎野の県立黒沢尻工業高校の土木科3年生との協働による橋梁(きょうりょう)点検を実施した。生徒が大型道路構造物の維持管理に触れ、最新技術や暮らしを支える仕事について学んだ。

 2012年に発生した中央自動車道笹子トンネルの天井板落下事故を契機に道路法が改正され、橋梁などの構造物は5年に1度の近接目視による点検が義務化された。県が管理する道路橋(約2800橋)は14年度から点検を実施し、19年度からはインフラメンテナンスに関する知識向上などを狙いに高校生と協働で取り組んでいる。

 同日は同校3年生8人が遠野市宮守町の鋳物大橋、金ケ崎町永沢の永沢橋、奥州市江刺の中屋敷橋の3カ所を訪れて点検。県の道路メンテナンスへの取り組みなどの説明を受けたほか、それぞれの橋の概要や工法、構造の特徴、損傷の原因などに理解を深めた。

 このうち1978年完成の永沢橋では、路面の凹凸を確認したり、主桁側面のひび割れなどの損傷を図面に描き込んだりと真剣な表情で作業。ハンマーでコンクリートをたたいて音を計測し、振動情報から内部の材料の充填(じゅうてん)状況を調べる新技術なども体験した。

 同校の佐藤寅ノ介さんは「音で内部の状況が分かるのはすごいと思った。実際に仕事をしている人たちと一緒に点検に取り組む体験ができて良かった。学んだことを今後に生かしていきたい」と話していた。

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