村上さん、桑島さんら出演 式典演出賢治童話が柱 全国植樹祭 来年6月 陸前高田会場【岩手】
県は31日、2023年に本県で行われる第73回全国植樹祭の式典演出の概要を発表した。宮沢賢治の童話「虔十公園林(けんじゅうこうえんりん)」を柱にした演出で、俳優村上弘明さん(陸前高田市出身)が進行役を務める。声優桑島法子さん(金ケ崎町出身)が同作品を朗読し、植樹祭の開催理念にもつながる世界観を表現。ミュージシャン佐藤千亜妃さん(盛岡市出身)による大会テーマソングの歌唱も行われる。
達増拓也知事が同日の定例会見で発表した。
同作品は、主人公の虔十が家族の力を借りて野原に杉苗を植え、その木が成長し、子供たちの遊び場となる物語。虔十が亡くなった後も憩いの場で在り続け、感銘を受けた米国帰りの博士によって同公園として名付けられる。
植樹祭の開催理念「森林づくりと、健全で豊かな森林を次の世代に引き継ぐ」につながる内容で、東日本大震災津波からの復興の歩みも連想させる内容であることから、演出のテーマとなった。
ストーリーテラーの村上さんは「支援してくださった皆さまへの感謝の思い、被災地の新たなる独自の発展を願って祭典に臨みたい」、朗読する桑島さんは「この植樹祭が身近な自然と向き合うきっかけとなりますよう、そして私自身にも変化をもたらしそうで、どきどきしています」とそれぞれコメントを寄せた。
全国植樹祭は、来年6月4日に陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園を中心に開催される。達増知事は「岩手は北海道に次ぐ森林面積の森林県であり林業も盛ん。復興と岩手の森林、林業をこの機会に県民みんなで共有し、県外に発信していきたい」と述べた。
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