北上・西和賀

新聞で学び深め 県協議会研究会 黒東小 公開授業【北上】

教職員が見守る中、互いに選んだ記事について感想を語り合う児童たち

 北上市教委の研究指定校となっている市立黒沢尻東小学校で2日、県新聞教育協議会研究大会を兼ねた学校公開研究会が開かれた。教育に新聞を取り入れている同校の公開授業や全体会、分科会などを通じ、教職員は児童の健全育成に新聞の良さをどう生かしていくかを考えた。

 同校は市教委の2021、22年度研究指定校で、県のNIE(教育に新聞を)実践指定校でもある。「正確に理解し適切に表現する児童の育成」を研究主題に掲げ、国語科の授業改善として新聞を取り入れた教育を実践してきた。

 市内を中心に県内の教職員110人ほどが参加。1~6学年の各1クラスと特別支援学級で、新聞を使った授業を公開した。

 3年生33人のクラスでは、児童が秋を感じた記事を事前にピックアップ。それぞれマツタケやクリ、リンゴ、ブドウなどの収穫をはじめ紅葉、いものこ会、中秋の名月、咲き誇るヒガンバナなどの記事を選び、互いに回し読みをして感想を語り合った。

 児童からは「リンゴの(競りで)一箱10万円はびっくりした」「おいしそうなブドウはワインにもなる。大人になったら飲みたい」「花巻まつりはすごくきれい」などの感想が聞かれ、佐々木彩羽さんは「新聞を読んでみて、いろいろなことが分かった。これからも読んでいきたい」と笑顔で話した。

 同校では児童が朝学習などで新聞を読み自分の考えをまとめたり、自作の新聞を書いたりしている。全体会で同校研究主任の小森美江子教諭は「新聞コーナーを設けたことで授業や朝学習、家庭学習にも新聞を活用する学級が増えた。児童が手軽に新聞に関わるようになり、興味を示す児童が増えた」と説明した。

 さらに「児童に新聞の良さを十分認識させるまでには至らなかったが、目的に応じ、必要な情報を取捨選択する力が高まった。無回答が多かった記述式のテストでは、無回答の児童が減少した」と成果を語った。

 参加者は分科会で活発に意見交換。日本新聞協会NIEコーディネーターの関口修司氏が「誰でも簡単、それでも深いNIE」と題し講演した。

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