職人技 見て感じて 作業工程現場を公開 「五感市」開幕
ものづくりの現場を公開する「オープンファクトリー『五感市』」(実行委主催)は4日、県南3市町を会場に6日まで3日間の日程で開幕した。新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となり、工場や工房など20事業所が参加。普段は見せることのない作業工程の現場を公開し、職人たちの繊細、高度な技をアピールしている。
オープンファクトリーは、伝統工芸などの工場、工房を公開するもので全国各地で人気を集めており、県南地方でも各企業の魅力を連携して全国に発信することで、ものづくりのブランド化を目指そうと2018年から五感市を奥州、一関、平泉3市町で開催。20、21年は新型コロナ感染拡大に伴い見送られた経緯がある。
五感市に参加しているのは、南部鉄器や岩谷堂箪笥(たんす)、秀衡塗など伝統工芸のほか、酒造や菓子製造など多業種で、各会場では作業風景の見学のほか、製作体験などもできる。
このうち小山太鼓店(一関市室根町)では、郷土芸能団体から依頼を受けた太鼓製作の工程を公開。鹿(しし)踊りや神楽、鬼剣舞など、芸能によって求められる音が異なることで、加工の仕方も変えていることなどを解説するとしており、今回の五感市実行委員長を務める小山健治さんは「今やっている仕事の手元、普段の仕事の様子を見てもらいたい」と語っていた。
実行委ではホームページを通じて各会場の公開日程などを周知している。5カ所を巡れば限定オリジナルグッズがプレゼントされるスタンプラリーも開催しており、グッズの受け渡し場所は京屋染物店(一関市大手町)と翁知屋(平泉町平泉)、及源鋳造(奥州市水沢羽田町)となっている。同時に、フォトコンテストも開催。五感市を周遊しながらインスタグラムにハッシュタグ「#2022五感市フォトコンテスト」を付けて写真を投稿してもらう。写真のテーマは、職人の作業や体験、工房の様子、食事、景色などで、優秀作品に選ばれた2人には伝統工法で作られた南部鉄瓶が贈られる。