花巻

絵手紙味わい深く 古里で初の個展 中笹間出身 平賀さん【花巻】

古里を離れ50年余り。花巻市で初めて個展を開いている平賀啓子さん

 花巻市中笹間出身の絵手紙作家平賀啓子さん(75)=東京都新宿区=の個展「みなさんにお逢(あ)いしたくて」は、同市大通りのなはんプラザで開かれている。絵手紙に出合って以来30年にわたり味わい深い作品を生み出してきた平賀さん。古里では初の個展で「絵手紙を通じて多くの人に会えればうれしい」と話す。6日まで。

 結婚を機に24歳で郷里を離れてから50年余り。ここ数年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で帰省の機会が限られる中、義姉の喜代美さん(81)=同市太田=や同級生の薦めと協力で初めての個展が実現。自身が今年4月に体調を崩したこともあり、「みんなに会いたい」という思いが開催を後押しした。

 会場には、平賀さんが手掛けた絵手紙30点、消しゴムはんこを使って描いた絵画などが並ぶ。新聞折り込み広告の裏に絵を描いて孫たちに送っていた母の影響もあって、1992年に絵手紙作家小池邦夫さんの教室で出合った絵手紙に夢中になり、仕事の傍ら30年余りにわたって作品を制作し続けてきた。

 モチーフは花や動物、野菜など日常の中にあるもの。「実物はきれい」「実物にはかなわない」との言葉を添えた作品は画面いっぱいに赤や黄色の落ち葉が描かれている。「このシャキシャキ ホンワカな甘さがたまらない」という絵手紙は画面からこぼれ落ちそうなほどのリンゴの質感が印象的だ。

 創作について「その日に描きたいものを決めたら、誰に出そうか考えながら仕上げていくと、絵に添える言葉が自然に浮かぶ」と話す平賀さん。郷里での個展の開催に「みなさんのおかげで開くことができた。個展を通じて小学生の頃の同級生に会うこともでき、元気をもらった。感謝の気持ちでいっぱい」と話す。

 開場時間は午前10時~午後5時(最終日は4時)。

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