重厚な音色聴衆魅了 衣川中で特別演奏会 早稲田の杜金管合奏団【奥州】
奥州市立衣川中学校(菊地榮壽校長、生徒90人)で4日、早稲田の杜金管合奏団による特別演奏会が開かれた。経験豊かな団員たちが生徒や住民を前に演奏を披露。同校吹奏楽部との共演も交え、楽しいひとときを過ごした。
同合奏団は、国際青少年オーケストラ大会(カラヤンコンクール)で優勝したメンバーを中心に、早稲田大交響楽団の出身者で結成。金管・打楽器の奏者で活動している。東日本大震災後は被災地支援のため、本県へ公演を含む演奏旅行に隔年で出向いてきた。競走部の駅伝合宿が行われるなど同大と衣川には縁があり、演奏会は同校と衣川地区振興会、実行委が主催。地元の同大卒業生による胆江稲門会の仲介で実現した。
演奏に先立ち、司会でトランペットパートの久保正彰さんは「コロナ禍の中、生の音楽の楽しさを届けたい」とあいさつした。同校1、2年生や地域内の衣里、衣川両小児童、住民ら約140人が鑑賞した。
演奏は2部構成で、クラシックやオペラ、ジャズなど幅広いジャンルの11曲を演奏。「A列車で行こう」ではソロパートを織り交ぜて引き付け、「上を向いて歩こう」ではトロンボーンの小編成ながら厚みのある音色を響かせた。
衣川中吹奏楽部(8人)とは「マツケンサンバ」など2曲で共演。この日だけの特別な演奏に大きな拍手が湧き起こった。部長の千葉瑠さん(2年)は「最初は不安だったが、とても楽しく安心して一緒に演奏できた。今回の貴重な経験を部活動に生かしたい」と話していた。
同合奏団は、6日に一関市東山町の猊鼻(げいび)渓を訪問する。午前10時出航の舟下りで船上演奏を行う予定。