栗駒山 長い冬へ 国道342号通行止め【一関】
一関市厳美町から県境を越えて秋田県に通じる国道342号真湯ゲート―須川高原温泉間(14・9キロ)は4日、冬季通行止めとなった。今後積雪や路面凍結などの恐れがあるための措置で、同日は県境付近が今季初の雪模様に。秋田側区間(16・6キロ)も通行止めとなり、栗駒山(1626メートル)は約6カ月間の長い冬ごもりに入った。岩手側の道路を管理する県南広域振興局一関土木センターによると、通行止め解除は2023年4月下旬の予定。
8合目(1126メートル)を通る県境地点は、断続的に雪が降り続いた影響で3~5センチの積雪。付近にある同温泉や須川ビジターセンターは10月31日で今季の営業を終えていたため訪れる人も少なく、冬支度や片付けを終えた関係者らがあいさつを交わして山を下りた。
周囲の木々も落葉し、すっかり冬の装いとなった同町真湯地内では、山を下りてきた車両が通過するのを待って正午に鋼鉄製のゲートを閉じ、施錠された。
一関土木センター道路河川環境課の佐藤宏幸課長は今季を振り返り「コロナ禍で減少した人出が戻ってきた中、大きな事故もなく半年間を終えられたことにほっとしている。来年は例年と同じく春の大型連休前には開通できるようにしていきたい」と話している。
一関市と奥州市を結ぶ道路「栗駒焼石ほっとライン」(総延長約16キロ)は、14日正午に両市のゲートがそれぞれ閉鎖され、冬季通行止めに入る。道路の積雪などで予定を早めて通行止め措置が取られることもあるため、両市は通行車両に注意を呼び掛けている。
ほっとラインは、一関市道鬼頭明通(おにかべあけどおし)線と奥州市道谷子沢南前川山線が接続している道路で、一関市厳美町地内の国道342号祭畤大橋付近から奥州市胆沢地内の国道397号つぶ沼付近までを結ぶ観光ルートとして新緑や紅葉のシーズンを中心に多くの車が往来している。
冬季閉鎖の解除は、今冬の積雪や来春の安全施設補修作業などの状況を踏まえ、2023年4月下旬を予定している。
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