合宿交流30年の絆 東関部屋東山町後援会 元高見山に感謝状【一関】
大相撲の元関脇高見山で元東関部屋親方の渡辺大五郎さん(78)=東京都墨田区=が5日、毎年夏に部屋の合宿を続けてきた一関市東山町松川地区を訪れ、物心両面で支援してきた大相撲東関部屋東山町後援会(松川誠会長)から感謝状の贈呈を受けた。渡辺さんは詰め掛けた地域の人たちとしばしの間歓談、30年余りの交流を振り返り「本当にありがとうございました」とお礼の言葉を述べた。
感謝状贈呈式は「どんこ市」の会場となった松川町郵便局前で開催。松川会長が「地域の皆さんと30年以上東関部屋を支え、今日に至った。これまでお世話になったお礼と、親方と交流を続けられたことに感謝の意を表したい」とあいさつし、一関市長と後援会長連名の感謝状と記念品を渡辺さんに贈呈。七五三参りのため華やかな衣装を着けた東山小学校1年の小野寺理香さん(7)が渡辺さんに花束を手渡した。
渡辺さんは「東京で商売をやっている方の紹介で東山合宿について話がありもう34年になる。東山、一関市の皆さんお世話になりました。本当にありがとうございました」と謝辞を述べ、集まった地域の人たちと歓談したり気さくに写真撮影に応じたりしていた。
渡辺さんは米国ハワイ出身で1964年初土俵を踏み外国出身力士の先駆けとなった。現役時代は高見山のしこ名で活躍。「ジェシー」の愛称で親しまれ、テレビでも人気を集めた。84年に引退した後は高砂部屋から独立し東関部屋を創設。横綱曙や幕内潮丸、小結高見盛らを育て上げた。
東関部屋の合宿は旧東山町時代の89年に同町出身の首都圏在住者を通じて始まり、夏の風物詩として2019年まで続いた。毎年合宿の時期になると地元はのぼり旗を立てて部屋の一行を歓迎。力士は松川公民館(松川市民センター)敷地内の土俵で稽古に励み、老人ホームの慰問や子供たちとの力比べ、ちゃんこの振る舞い、商店街での交通安全パレードにも協力し地域や住民と交流を続けた。
20年はコロナ禍で合宿を中止。部屋を継承した元潮丸が19年に亡くなったことなどから再開しないまま21年に部屋が閉鎖された。後援会は別の部屋の合宿の誘致なども模索している。