奥州・金ケ崎

人材確保・育成方策探る 講演や発表に関心 企業×岩手大×奥州地域連携フォーラム

若手人材確保の講演などが行われた「地域企業×岩手大学×奥州地域連携フォーラム」

 「地域企業×岩手大学×奥州地域連携フォーラム2022」(奥州市、同大主催)は9日、同市水沢佐倉河のプラザイン水沢で開かれた。オンラインを含めて約100人が参加し、少子高齢化、人口減少が続く中での人材確保や人材育成の課題、方策について探った。

 同フォーラムは連携機会の創出につなげようと20年度から開催。今回はものづくり企業が直面している人手不足、人材確保をテーマとし、講演・発表や同大の紹介、パネルディスカッションを行った。

 倉成淳市長は「人材確保、人材育成に向けた改善につながるヒントが得られることに期待している」、小川智学長は「人口減少は喫緊の課題であり、県外流出による社会減の進行は進学、就職の年齢層で顕著だ。われわれも魅力ある教育機関となる取り組みを進めている。力添えを願う」とあいさつした。

 同大人文社会科学部の渡部あさみ准教授が「『働きやすい職場』づくりへ向けた取り組み事例から考える 若手人材の確保・維持へ向けた課題」と題し、専門の経営学、人的資源管理論の知見を交えて講演。人的資源管理の観点から「労働者の能力を企業のためにどれだけ引き出せるかと考えると、労働者の意思が大事になる」とし、働きやすい職場づくりの重要性を説いた。

 働きやすい職場づくりには「働きにくさを是正しなければならない」と指摘。サントリーグループの研究から、現場の実態把握と労使のコミュニケーションの重要性を強調した。県内企業の事例も示し、「トップの関与と労使コミュニケーションにより、現場の実態を分析・反映した実直な取り組みが成果を生み出す」と述べた。

 同市前沢のサンミューロン岩手工場採用担当の千田信彦さんは「ものづくり現場の雇用状況と人員確保への取り組みと課題」とのテーマで、同社の取り組みを紹介。人材確保のために就職説明会のブースを学生目線で再構築し、自社の認知度を上げる情報発信を進めていることを話した。

 また、「学生には会社見学を推奨し、会社の雰囲気を感じてもらうとともに、現場で質問を受けて学生の不安を取り除くようにしている」と語った。

 人材育成では、新人1人に先輩1人を付けるチューター制度に触れ「1年目だが、新人同士、チューター同士が情報共有することに効果があると感じている」とし、参加者が関心を寄せていた。

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