登下校時の対策強化 車内確認徹底求める バス男児置き去りで市教委【一関】
一関市内の小学1年男児が2日の下校時にスクールバス内に一時置き去りにされた問題で、市教委は再発防止に向け、運行業務受託者との会議を開き、改めて確認作業の徹底を求める方針だ。登校時など学校到着時の下車確認についても、今後開催する校長会議を通じて学校ごとに対策を検討するよう指示することにしている。
市教委では、通園バス内に長時間放置された園児が亡くなった静岡県内の事件を受け、9月13日付で市内の運行業務受託者に文書を送付。「運行終了後は、車内の点検を行っていただき、園児・児童が車内にいないことをご確認いただきますようお願い申し上げます」という文面で確認作業の徹底を求めていた。
現在、市が運行業務を委託しているのは11社と個人運転手4人。学校統合が進んだことで、スクールバスは小学校で50台、中学校で22台、幼稚園で10台を運行している。
これまで注意喚起してきたにもかかわらず、市内でも児童の置き去りが起きたことで市教委は、改めて「車内確認の徹底」を求める通知を運行業務受託者に送付した。
8日の臨時記者会見では、市教委の小菅正晴教育長が「事案を社会的にも公表することで、わずかな確認作業の慣れによる省略がいかに大きな事態を引き起こすかということを知っていただき、市内外の多くのスクールバス運転手をはじめとする関係者が確認作業の重要さをより強く再認識する機会とすることができる」と話し、再発防止策を強化して対応する考えを示した。
一方、県教委も今回の問題を受け、県立学校長と県内各市町村教委に対し、9月に出した通知と同様の内容で再度通知を出す予定。バス利用時の人数確認などの自主点検と安全管理を徹底するよう求めることにしており、県教委保健体育課の中川友治担当課長は「児童、園児の大切な命を守るため、今回のような事案が二度と発生しないよう安全管理の徹底を図っていく」と話している。