サンふじ100万円 江刺りんご初競り・盛岡
奥州市江刺で栽培される「江刺りんご」の主力品種サンふじの初競りが12日、盛岡市中央卸売市場で行われた。今年は天候による大きな被害は見られず例年通りの仕上がりとなり、最高品質の特選1箱(28個入り、10キロ)が前年と同じ100万円で落札された。
サンふじとシナノゴールド各280ケースが出荷された。午前6時50分ごろ競りが始まると、仲買人の威勢の良い掛け声が飛び交い、ベジフル姫神(盛岡市)が100万円で最上位等級の「特選」を競り落とすと、周囲から大きな歓声が上がった。同社の中野健一営業推進課長は「特選を買おうと心の中で決めていた。いつもより大きい感じがするので食べ応えがありそうだ」と話した。
JA江刺などによると、2021年は霜や降ひょうの被害があり、生産量などに影響した。今年は8月の大雨による影響が懸念されたものの、大玉傾向で味や色つやも良く例年通りの出来となった。今年度は江刺りんご全体で24万8000ケース、サンふじは11万6000ケースの出荷を目指している。
同JAりんご部会の小沢静雄部会長は「農薬や肥料のコストが上がり生産現場は厳しい状況。(特選が)昨年と同じ100万円という額で落札されたことは大変ありがたく、生産者の励みになる」と喜んでいた。