2園26人定員削減 来年度 北上市、「供給過多」で 公立保育施設
北上市は2023年度、保育ニーズの需給バランス調整で公立保育園2園の定員を合わせて26人削減する。24年度には100人規模の保育施設立地が計画されており、近年の出生数と保育利用申込者の減少を踏まえ、民間の保育施設に影響がないよう公立保育園の抜本的な定員削減を図る。
23年度は市立施設の大通り保育園が15人、鳩岡崎保育園は11人それぞれ定員を削減。民間施設では、ふたば認定こども園横川目こども園が利用実態に即して34人減らすほか、認定こども園専大北上幼稚園は8人、小規模保育事業所そらいろ保育園は6人減らす。事業所内保育所のひたかみ保育所(定員40人)は閉鎖。立花保育園は認定こども園に移行し(仮称)たちばなこども園となって定員が15人増えるが、市立と民間合わせた定員は前年度比99人減となり需給バランスはほぼ均衡する見込み。
市内では順調な企業立地を背景に0~2歳児の小規模保育事業所開設、幼保連携型の認定こども園移行が相次ぎ、第2期子ども・子育て支援事業計画(20~24年度)に掲げた通り施設は整った。課題だった待機児童はほぼ解消されたが、新型コロナウイルス感染拡大後の20年度以降、出生数が減少。現在の5歳児728人に対し2歳児642人、0歳児は539人となり、一転して供給過剰に陥りつつある。
24年度には定員102人の(仮称)岩手保健医療大学附属認定こども園北上ががJR北上駅付近に新設され、北上保育園は園舎新築により2号認定(3歳以上保育)を新たに受け入れ総定員が23年度より18人増える。大通り保育園が23年度比で6人、鳩岡崎保育園も同じく5人ともに削減する計画だが、それでも市全体では109人の定員増となる。
24年度保育の供給量(利用定員)見込みは2305人、需要量(児童)は2074人で、231人の「供給過多」となり、このままでは抜本的な定員削減が必要となる。
コロナ収束や企業立地による転入増で子供の数が増える可能性もあるが、現時点では不確定要素が大きい。市健康こども部は「今後の出生数や各園の入所状況、ニーズを精査し24年度以降どうするか検討していく。長期的方向性については第3期子ども・子育て支援事業計画(25~29年度)で示したい」としている。