一関・平泉

人生一度きり挑戦を 渋谷氏講演会 学生に起業の心得【一関】

起業家になるための心構えなどを説いた渋谷氏

 一関市主催の学生起業家育成講演会は12日、同市大手町の一関文化センターで開かれた。フラー代表取締役会長の渋谷修太氏が講師を務め、「地域を元気にするには起業家が必要」として学生や高校生たちに起業家となるための心構えなどを説いた。

 若年層の起業家精神の醸成と起業家人材の育成を図ることを狙いに開催され、一関工業高等専門学校の学生や市内の高校生ら約250人が聴講した。

 渋谷氏は新潟県出身で、長岡高専卒業後、筑波大に編入し、IT企業を経て2011年に創業。16年には米経済誌フォーブスによる30歳未満の重要人物「30アンダー30」に選ばれた。

 「起業家の力で、故郷を元気に」と題した講演で渋谷氏は、中越地震、中越沖地震の2度の震災を経験したことで「人はいつ死ぬか分からない。人生一度きりだから挑戦したい」と会社をつくることを志したと明かした。新型コロナウイルスを経て地元に戻ることを決意し、実際に本社を移転した経緯を踏まえ、オンラインによる業務化が進んでいることで「地方で起業がやりやすくなっている。都内で起業する必然性は低下し、地方のアドバンテージが生かせるようになった」と強調した。

 起業に当たって必要なことだが日本の教育にないものとして、自分で課題を見つけて解決する力となる起業家精神や実用的な英語、プログラミング、お金の知識、プレゼンテーションスキルを挙げ「ほとんどの人にとって『織田信長が何をしたか』より大事なことで、確実に生涯年収に影響する」とした。

 起業家という生き方の一つに「夢を与える」ことを示し、全国的にも知られる長岡花火の打ち上げに名を連ねるという自らの夢を実現させてきたことなどを紹介。「夢のスケールが大きいほど非現実的と思われるかもしれないが、一度きりの人生、ばかみたいに夢を追い掛けて生きていいんだよと伝えたい」と訴えた。

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