一関・平泉

“音が見えてくる” 東山和紙で表現 イラストレーター戸田さん展示【一関】

戸田さんが東山和紙を使い旧東北砕石工場で開いている展示「音がきこえる見えてくる」

 一関市東山町の石と賢治のミュージアム(菅原淳館長)で、同町長坂のイラストレーター戸田さちえさんが地元に伝わる東山和紙を使って装飾した展示「音がきこえる見えてくる」が開かれている。23日まで。

 戸田さんが「この場で感じたことを東山和紙で表現したい」と同ミュージアムの構成施設である旧東北砕石工場の坑道などに東山和紙で作った大小のモビールやあんどんを展示。かつて工場で使われていた工具をたたいてその音を聞くコーナーなども設けている。

 旧東北砕石工場は土壌改良剤の石灰石粉(炭酸カルシウム)を製造するため1924年に創業し、宮沢賢治も晩年技師として勤務した。1978年に生産を停止。当時の所有者である東亜産業から旧東山町に寄贈され96年に近代化遺産として国登録有形文化財となった。ミュージアムの構成施設として公開されている。

 戸田さんは「賢治さんも働いていた工場にたたずみ、耳を澄ませているといろんな音が聞こえてきた。ここで働いていた方たちやその当時の人々は石灰を通して夢や希望を運び出していたように思う」と話し、往時に思いをはせている。21日は休館日。問い合わせは同ミュージアム=0191(47)3655=へ。

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