災害対応力高い「まち」を 五郎不動産、SORAie 奥州・水沢真城で新事業始動
奥州市水沢南大鐘の五郎不動産(佐々木勝郎社長)は、「災害に対して優れた防災力や耐久力、災害後の対応力を持つまちづくり」を進めようと同市水沢真城字町南地内で「水沢真城レジリエンスTown」事業に着手した。事業では耐震性の高い賃貸住宅の建設を進めることで、災害に強いまちづくりを目指す。
住宅建築を担うSORAie(同市水沢北田、高橋透社長)の本社モデルハウスで21日、両社が事業について発表した。
事業では、真城字町南地内の山林約1024平方メートルを購入して造成。夫婦世帯、子育て世帯を想定し、平屋建て(建築面積57・13平方メートル)、2LDKの賃貸住宅を設計した。最初に2棟が2023年5月6日に完成し、続いて2棟が同月下旬に完成する予定。総工費は約1億円。
賃貸住宅としたことについて、佐々木社長(38)は「利益を考えればぎっしりとアパートを造るところ。まちづくりの提案と空間的な広がりを考えて賃貸の一軒家とした」と説明した。
住宅について高橋社長(39)は「南向きのLDKは斜めにデザインされ広々とした空間。玄関から入ったときの余裕がある」とし、「耐震等級は3。耐震等級1は、100年に1回の地震に1回耐えられるもの。3はその1・5倍の耐久となる。賃貸ではまずない数値」と紹介。
発災後の停電や給水停止などを考慮して屋根に太陽光発電パネルを設置するほか、雨水タンクも備えるとし、両社長は「太陽光発電や雨水タンクが最初から付いている賃貸物件はそうそうない」と口をそろえる。
両社長は「深刻な被害をもたらす自然災害が頻発し、猛暑や豪雨といった気象災害も生命に関わるレベル。しかも大震災はいつどこで起きても不思議のない状態。これからの住まいづくりには耐久力、災害対応力が求められる」と強調。今回の事業名には困難に対応する能力を意味する「レジリエンス」を使用した。
「いつかはまちづくりをしたい」と不動産業を興して11年目という佐々木社長は「目標だったまちづくりが実現しそうだ」と笑顔を見せ、「今後の広がりが期待できる地域。さらに伸ばしてつながりをつくっていきたい」と抱負を語っている。