花巻

果物や昆虫 精巧に 岩銀石鳥谷支店 高橋さん(大迫)粘土展【花巻】

本物そっくりの粘土アートを紹介する高橋さん

 花巻市大迫町の粘土アート作家高橋竜子さん(70)の個展「ほんものそっくり粘土アート展」が、同市石鳥谷町好地の岩手銀行石鳥谷支店で開かれている。粘土で再現された果物や花、昆虫など生命感のある精巧な作品が、来場者の驚きと感動を誘っている。30日まで。

 高橋さんが粘土アートを始めたのは15年ほど前のこと。趣味で絵を描いてきたが、自宅に代々伝わるひな人形を樹脂製粘土で修復した際に、桃の花や餅菓子などを作ったのがきっかけで、独学で学んできた。

 アート展では多くの生き物たちが登場する宮沢賢治の童話世界を主題にした作品を中心に紹介する。今展のために新たに制作した「賢治、童話の花かご」は、賢治童話に登場する花々を盛った華やかな逸品。カンパニュラ、野バラ、ノカンゾウなど35種類、花に止まったチョウやジカバチなど、賢治が生きた当時と変わらずに目にすることができる植物や昆虫を粘土で再現している。

 植物ではさまざまな品種のナシやドングリ、秋に実を付ける植物を集めた「秋の宝石たち」、早池峰山の固有種で朝露をまとったハヤチネウスユキソウ、皇后陛下雅子さまのお印「ハマナス」、昆虫ではカブトムシやカイコの一生などを表した作品に加え、「星めぐりの歌」に登場するサソリなども並ぶ。

 「モデルとなる果物や花、昆虫など生き物で、色や形は変わり、いつかは朽ちてなくなってしまう。粘土で再現することで再び命を吹き込むことができる」と粘土アートの魅力を語る高橋さん。「試行錯誤、創意工夫しながら作るのは面白い。作る過程で毎回新しい発見があり、完成した時の喜びはひとしお。昆虫は苦手な人も多いが賢治のように互いの存在を認め合い、好きになるきっかけになれば」と話す。

 賢治作品にちなんだ絵も展示。営業時間は平日午前9時~午後3時(午前11時30分~午後0時30分を除く)。

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