はやし屋台修繕完了 基金活用、安全性も向上 日高火防祭・横町組【奥州】
奥州市水沢の横町町内会は、市の日高火防祭(ひぶせまつり)はやし屋台修繕基金を活用して横町組のはやし屋台を修繕した。同基金活用での修繕は2件目。横町組のはやし屋台はブレーキが利いた状態のまま動かなくなっていたといい、ブレーキ回りを更新。併せて搭乗者を乗せる荷台の回転ローラーにガイドを付けて安全性を高めた。亀梨恒男会長(80)は「古い物のため修繕を引き受けてもらえなかったが、立派になってまた祭りに出せる。ほっとしている」と語り、2023年に4年ぶりの開催が予定される同祭に向けて意気込んでいる。
歴史ある同祭に欠かせない存在となっているはやし屋台は老朽化が進み、修繕も各町組、町内会だけでまかなえなくなっているのが現状。同市では2019年7月に小原自動車工業から寄付を受けたのをきっかけに、修繕を支援しようと20年2月に同基金を創設した。
横町組のはやし屋台は、かつて100人以上の担ぎ手で運行されていたが、1954年に自動車のシャシーを取り付けた車付きとなったという。小さな修繕は行っていたが、ブレーキが利いた状態のまま動かせなくなり、古いパーツがないため修理が困難となっていた。
今回の修繕では、立町組のはやし屋台を修繕した胆沢自動車工業がブレーキを新たに造り上げた。また搭乗者を乗せて回転する荷台も、2本のレールである程度の安全は確保していたが、ガイドを取り付けることで安全性を増した。修繕費は約150万円で、55万円が同基金からの補助。亀梨会長は「支援を頂いて修繕ができたことに感謝している」と話す。
修繕を終えたはやし屋台を見て「これでまた祭りに出せる。引き継いできた者としてほっとしている」と亀梨会長。「祭りが無くなるのではないかと思った。縮小と言いつつもできることがうれしい」とし、「町内会、町組では、はやし屋台、打ちばやし、町印の3台を出すぞと熱い気持ちが盛り上がっている。どんなことがあってもやってやろうと意気込んでいる」と語っている。