訃報に驚き、悼む声 映画監督・崔洋一さん死去 被災地応援で来訪・一関
日本アカデミー賞最優秀監督賞に輝いた「血と骨」などの作品で知られる映画監督で前日本映画監督協会理事長の崔洋一さんが27日に73歳で亡くなったことを受け、ゆかりのあった一関市磐井町の映画館・一関シネプラザ(松本健樹代表取締役社長)は「東日本大震災直後に来てくれた。元気だと思っていたが訃報を聞いてびっくりした」と驚き、突然の死を悼んでいる。
一関シネプラザでは2012、13、15年に東日本映画上映協議会などによる東日本大震災被災地応援プロジェクト「シネマエール東北」の無料上映会が行われた。
崔さんは同プロジェクト副代表としてトークショーや対談に出演し、上映作品の背景や見どころ、撮影裏話などを解説。震災から1年が経過した12年3月のトークショーでは「好きな作品を選んで映画館に足を運び、心の糧や一歩踏み出す勇気にしてほしい」などと語り、映画を通じた心の復興を呼び掛けていた。
訃報に接した一関シネプラザの松本社長は「被災地応援でたびたび来てくれた。見た目はこわもてだが、根は優しく信念のある人。目線が優しかった」と振り返った。無料上映会の際には撮影や録音、照明、音響、美術といった技能集団も一緒に訪れ、崔さんから指導を受けていたといい「総合芸術である映画をこよなく愛していた」と語った。
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