資料が語る戦争、平和 旧日本陸海軍博物館出張展示 水沢【奥州】
太平洋戦争が開戦した8日に合わせ、奥州市江刺の平和ミュージアム旧日本陸海軍博物館が主催する企画展「先の大戦から八十年 特集・日本陸海軍航空隊」は、同市水沢字横町の市まちなか交流館で開かれている。陸海軍航空隊を中心に収蔵資料を出張展示。戦争と平和、歴史について考える機会を提供している。9日まで。
同博物館は、戦争を考える材料がなくなることを危惧し、資料の収集保存を目的に活動している。同交流館での展示は10年目で、今回は約300点を展示している。
特集の陸海軍航空隊は、戦中の航空機メーカー・中島飛行機の工場が疎開したほか、最北の特攻隊出撃基地・後藤野飛行場(北上市)が置かれ、軍事航空の一線に立った将校や研究者を輩出したなど、本県との関わりが深いことから資料収集に力を入れてきたといい、会場の一角には飛行帽や飛行服などが並ぶ。
パネルでは、戦中の胆江地方の様子も解説。水沢羽田町で当時から多かった鋳物工場が中島飛行機関係の部品製造に駆り出され、戦後は飛行機部品を溶かして鍋釜を作り復興を支えたことなどを伝え、実際に飛行機部品から作られた鍋も見ることができる。
同博物館の八重樫正博館長(65)は「戦後70年以上が過ぎているが、戦争が風化しないよう思い出してほしい」と話している。
同市水沢の山路和博さんが描いた戦争画展も同時開催。日曜は解説者が待機する。時間は午前10時~午後5時。入場無料。