政策達成「めど立った」 髙橋北上市長が勇退表明
北上市長の髙橋敏彦氏(67)は5日、「ほぼ3期で私が考えてきた使命が完了する見込みが立った」として、2023年春に行われる次期市長選に出馬せず今期限りでの勇退を正式に表明した。
髙橋氏は記者会見で「12年前、持続可能な北上市へ軌道に乗せることが使命と思い、そのために何をすべきか3期を想定してマニフェストを作った。ほぼ2期目まで想定通り進み、3期目は(自身が掲げる)『あじさい都市』を市総合計画(21~30年度)で形にできた。重要なスタートの1、2年で公共交通などある程度具体的に前に進める形を示し、私の仕事はめどが立った」と説明。「北上市は今、トップスピードで前に進んでおり、スピードが落ちないようしっかり次の方に引き継ぐ」と述べた。
後継指名の明言は避けたが、理想像に「実際の課題を前に進めるネットワーク、行政手腕のある方」とし「歴代市長や職員、市民がつないできた北上市の流れをしっかり受け継いでもらえる方を応援したい」と述べ、今後候補予定者が出そろった段階で明らかにする考えを示した。
4期目へ続投を期待する声もあったが、「組織の勢いを維持するには10年スパン。NPO(いわてNPO―NETサポート)を立ち上げた際にも10年で次の世代にバトンタッチした。それが組織を元気にする手段で、今回もその考えを踏襲した」とし、関係者には2年前に勇退の意向を伝えていたことも明かした。
11年の就任以来、3期で印象に残ったことに16年の岩手国体、19年に同市が公認キャンプ地となったラグビーワールドカップを挙げ、前市長時代からの懸案事項で17年に決まった東芝メモリ(現キオクシア岩手)の立地については「微妙な状況が続き、こちらに引き寄せる動きをずっと数年続けていたので、決まった時はほっとした。さらに、市民生活にプラスになるような施策につなげてきた」と率直に語った。
次期市長選は23年4月16日告示、同23日投開票が決まった。現時点では県沿岸広域振興局長八重樫浩文氏(58)が出馬に前向きな意向を示している。