一関・平泉

新年へ向け 飾り花作り 毛越寺【平泉】

毛越寺境内の諸堂に供えるため作られている、桜の木の枝に取り付ける八重桜を模した飾り花

 近づく年の瀬を前に、平泉町の毛越寺(藤里明久貫主)では新年を迎える準備となる八重桜の飾り花作りが行われている。丸く型抜きした和紙を染めて重ね合わせて作る花は桜の木に飾り付けた後、境内の諸堂に2023年の1年間供えられる。

 飾り花は、同寺に伝わる国重要無形民俗文化財「延年の舞」の「花折」にちなんだ八重桜を模したもの。同寺職員により9月から進められている作業では、型抜きをして縁を染料で赤く染めた和紙を10枚重ねて貼り合わせ、形を丸く整えた花飾りを約300個製作する。

 6日には、飾り花を常行堂内へ供える高さ約1・8メートルの桜の木や、延年の舞で童子が手にして舞う小道具の小枝に取り付ける作業も開始。同寺事務局広報の志羅山順慶さん(33)は「今年はコロナ禍や不安定な世界情勢が続く1年だった。来年は落ち着いた穏やかな年になるよう、平安時代から続くこの寺で心から願っていきたい」と語った。

 同寺では、今後新年を迎える準備が本格化。仕上げられた飾り花は桜の木に取り付けたものなどを常行堂のほか開山堂、位牌堂に供えるほか、月末の27日には初詣用の破魔矢や熊手、開運扇など縁起物の加持祈祷、28日には諸堂へ供える鏡餅用の餅つきや、山門への大しめ縄飾り付けなどがそれぞれ行われる。

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