花巻

6次産業化サポート 富士大経済学部3年生 りんごジュースラベル考案、摘果の実活用研究【花巻】

りんごジュースのオリジナルラベルなどを考案した富士大の3年生ら

 富士大経済学部の宮川正裕教授のゼミに所属する3年生11人は、花巻市内のリンゴ農家の収益向上などを図る6次産業化支援に取り組んでいる。宮一農園(同市東和町)からの協力依頼を受けて、同園の製造するりんごジュースのオリジナルラベルを作製。摘果されたリンゴの活用についても研究を進めており、果樹農家に新しい風を吹き込む。

 初めての取り組みで、5月に開始。同農園から「若い人に気軽に飲んでもらえるりんごジュースのラベルデザイン、容器を考えてほしい」と依頼があり、学生がアイデアを出し合った。

 容器はワインボトルタイプの瓶(720ミリリットル)を提案し、商品名を「リンゴの滴(しずく)」とした。ラベルはリンゴの花をあしらったデザインにし、ジュースの魅力を解説するシールも瓶に貼った。学生たちのアイデアを取り入れたりんごジュースは限定270本で、同市東和町の産直あおぞらなどで販売され好評を得た。

 学生たちは同農園で収穫も体験。収穫した「紅玉」と米粉を使ってクレープを作り、10月に開かれた同大の紫陵祭で販売した。

 活動を通じて、摘果されたリンゴが大量に廃棄されていることを知り、摘果リンゴにポリフェノール類が多く含まれていることに着目。消臭スプレーやボディ・スクラブなどに活用する研究をまとめ、盛岡市で開かれた県農林水産部政策提案型調査研究コンテスト「Wild Cup 2022」で発表し、SDGs賞を獲得した。

 メンバーの菅原寛二さんは「手に取ってもらえるようなデザインを考えるのが大変だったが、宮一農園さんに喜んでもらいうれしかった」と充実した表情。鎌田大翔さんは「活動を通じて農家の高齢化や人手不足を深く知ることができた。リンゴ農家だけでなく、他の農家の課題も経済学部の視点から支援したいと思った」と新たな目標を掲げる。

 宮川教授は「学生たちは素晴らしいアイデアを持っている。農家の収益増加、学生の学習とウインウインの関係をつくり、地域活性化に貢献していきたい」と話している。

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