一関・平泉

伝統背負い一歩一歩 骨寺村荘園 中尊寺米納め【一関】

骨寺村荘園遺跡内の水田で収穫した新米を納めるため、中尊寺に向けて一関市厳美町を出発する一行

 一関市厳美町の骨寺村荘園遺跡内で収穫した新米を中尊寺に届ける行事「骨寺村荘園中尊寺米納め」(本寺地区地域づくり推進協議会主催)は11日、同町から平泉町にかけて行われた。寒空の下、地元住民ら78人が「金色(こんじき)の風」と「ひとめぼれ」の新米を背負いながら歩き、中尊寺に納めた。

 米納めの行事は、かつて同寺の別当領となっていた「骨寺村」の農村景観を後世に継承するとともに、歴史的関わりがある同寺とのつながりを深め、先人の営みや文化的価値を全国に発信するため、2007年に始まり、16回目を迎えた。

 出発式で同協議会の五十嵐正一会長は、同遺跡の世界遺産平泉への拡張登録に向けた思いを込めてあいさつした。「私どもは絵図に描かれている田んぼで、古事に記されている米納めを800年、900年の次元を超えて実現するような取り組みだ。何とか世界遺産登録に向け、農村景観を守る取り組みとして平泉に米を届けたい」と語った。

 佐藤善仁市長も「神様、仏様にも皆さんの願い、地元の思いが形となって結ばれることを祈りながら私も歩きたい」と述べた。

 一行は白装束や法被、けらなどの衣装で駒形根神社を出発。同遺跡内を流れる本寺川沿いを通って慈恵大師拝殿で道中安全祈願を済ませた後、金色の風を詰めた3俵(1俵当たり10キロ)と、袋入りのひとめぼれ5キロを中尊寺に運び届けた。

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