奥州・金ケ崎

解決プラン高評価 水沢商、総合2位 衣料余剰品地域で販売 全国高校生徒研究発表大会【奥州】

全国高校生徒商業研究発表大会で2位に輝いた水沢商の4人。ビジネスプランの実践店舗「OASIS」は29日まで営業する

 奥州市の県立水沢商業高校商業科3年の大山あかりさん、小野寺美優さん、小竹美貴さん、渡辺柊さんのチームは、第30回全国高校生徒商業研究発表大会で総合2位の優秀賞に輝いた。アパレル産業を悩ませている売れ残り衣料品の大量廃棄問題に地域振興を結び付け、解決を図るビジネスプランを示した。同市水沢中町地内に設けた同プランの実践店舗「OASIS」の営業は29日までとし、感謝を込めた閉店セールも展開する。

 大会は商業を学ぶ高校生が研究成果で競う。4人は県大会、地元開催の東北六県大会とも1位で通過。21チームで競う全国大会(11月16、17日、松江市)出場を決めた。成績は計500点満点中、事前審査262点、当日審査180点で、減点はゼロ。1位の岡山南との総合得点差はわずか15点だった。

 研究テーマ「Reframing 廃棄衣料から生まれる新たな未来」は、4人が1年時に提言したビジネスプランが原形。

 研究では、1240人が対象のアンケートでマーケティングし、アパレルブランドにこだわらない地域性の一方、店舗があれば購入したいとの市民の声を商機とみた。実践として、アパレル商品の在庫を中心に取り扱うshoichi(本社大阪市、山本昌一代表取締役)の協力で商品を仕入れ、テストを経ながら格安販売を実施。インターネットのフリーマーケットアプリによる販売も同時進行して、収益安定化を図った。

 全国大会の発表では、駅前商店街のにぎわい創出も見込んで今年10月に開店した「OASIS」の成果も初めて盛り込んだ。壮年女性を主な客層とし、アパレルブランドの余剰在庫を9割引きなどで販売。4人が自ら店員となり運営した。

 3年がかりの取り組みには土日も費やし、発表の練習も加え多忙だった。小竹さんは「自分でも頑張ったと思える。受賞後、お客さまからも祝福の声を頂いた」、大山さんは「優勝が目標だったが、店を開くことまででき2位でもすごい」と振り返った。

 小野寺さんは「ファストファッションでもブランドショップでもない新しい魅力をつくることができた。廃棄問題対策のほか、地域にも貢献できた」と自負。渡辺さんは「今ではリピーターも多い。最後まで多くのお客さまでにぎわうようにしたい」と語る。

 指導した小原佳訓教諭は「課題設定以来、このレベルまで活動を広げたのは素晴らしい。努力に値する結果だった」とたたえた。

 「OASIS」の営業日・時間は、金曜が午後4~6時、土日が午前10時~午後4時。閉店セールの26~29日は午前10時~午後4時。

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