一関・平泉

古民家 複合ショップに 工芸品販売やカフェ 京屋染物店 情報発信拠点へ【一関】

京屋染物店が複合ショップとして開業する古民家。来春オープンに向けて整備を進めている

 一関市大手町の京屋染物店(蜂谷悠介代表取締役)は、新たに市内の古民家をリノベーションして複合ショップを開業する。セレクトショップやカフェを開設する計画で、現在は改修工事を進めている。2023年春のオープンを見込んでおり、地域の文化や工芸、食、民俗芸能を広くPRする拠点とすることを目指していく。

 同店は「和の追求」を企業理念に、郷土への思いを服作りに込めてオンラインショップを開設しているほか、鹿(しし)踊りなど郷土芸能の継承に向けた活動を展開している。この一環で「オンラインだけでは説得力に欠ける。実際に体現している姿を見せなければならない」として、里山にある長い間使われていなかった古民家をリノベーションして「岩手に当たり前にある、暮らしの大切さを伝える」複合ショップ開業を目指すこととした。

 蜂谷代表取締役は5年ほど前から構想を練っていたといい、物件探しを続けていたところ、同市赤荻字笹谷地内でイメージに合った古民家を発見。知人や近所の人をつてに紹介された持ち主から提供を受けることになった。古民家は築200年以上とみられ、しばらく空き家となっていたことで周辺は木々が生い茂るなど荒れた状態で、今年5月に整備を開始。全面的な改修を進めており、従業員も仕事の合間を見て壁塗り作業などに当たっている。

 複合ショップとなる古民家は約200平方メートルで、自社ブランドだけでなく東北の工芸品などを扱うセレクトショップ、地域の食を味わえる里山カフェを配置する予定。隣接する馬屋は事務所とし、周辺の石蔵なども今後ギャラリーなどとしての活用を見込んでいる。開業後はワークショップや民俗芸能イベントなどを開催し、楽しくものづくりや自然に触れてもらう方針で、将来的にはキャンプ場の整備も視野に入れる。

 年内には工事を終え、23年3月のプレオープン、4月のグランドオープンを見込む。同市大手町の店舗、工場は今後も継続して運営する。蜂谷代表取締役は「観光、ものづくり、地域の情報発信の拠点にしていきたい。地域の皆さんと一緒につくり上げていく」と語っている。

▲CFページ

 京屋染物店は、複合ショップ開業に向けてクラウドファンディング(CF)を実施している。支援金はカフェの椅子やテーブルといった家具類の制作購入費などに充てる計画で、第1段階の目標100万円は既に超えており、第2段階の目標を500万円に設定。期間は22日まで。

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