花巻第二工業団地進出 来年末の操業開始目指す イリソ電子工業
コネクター大手のイリソ電子工業(本社横浜市、資本金56億4005万円、鈴木仁代表取締役社長)は、花巻市に工場を新設することを決定し、26日に市と企業立地協定、県土地開発公社と土地売買契約を結んだ。約10億円を投じてコネクター量産に向けて供給する金型の製造工場を建設し、2023年末の操業開始を目指す。電気やハイブリッド、環境問題に対応した自動車(XEV)への車載機器の需要が拡大するとみて、生産能力を拡充する。
建設するのは同市北湯口の花巻第二工業団地内の一画。1・66ヘクタールの用地を取得し、鉄骨平屋建て約1800平方メートルの工場を建てる。同社は電子基板や自動車向けのコネクターを製造しており、市内で金型生産を手掛ける同社子会社のイリソエンジニアリング(同市大畑、坂下善彦代表取締役)を吸収する形で整備する。
鈴木社長らによると、イリソエンジニアリングが縁で同市への進出を決定。同時に25年4月の操業開始を目指し秋田県横手市でコネクター量産の新工場建設が進んでいることや、自動車や半導体、電子部品関連の産業集積を背景にした人材確保も立地の決め手になったという。従業員は約25人でスタートし、操業後は30人程度まで増やすという。
新工場は「金型センター」という位置付けで、新工場完成後は人材を育てながら、操業5年程度で3棟まで増やし、金型の内製化を進める計画という。
同市のホテルグランシェール花巻で行われた立地協定書調印式、土地売買契約書締結式で鈴木社長は「横手市の新工場は花巻市から地の利もよく、コネクターの金型工場と量産工場のシナジー効果を出して進めたい。立地を機に市に貢献できるよう企業を発展させていく」と述べた。
上田東一市長は「進出を契機に花巻の経済が活性化することを願う」、県土地開発公社の畠山智禎理事長は「立地は大変時宜を得た英断。早期に安定的な生産体制が整うことを願う」とあいさつ。県ものづくり自動車産業振興室の十良澤福志室長が祝辞を述べた。