花巻

金で彩るテンペラ画 安ケ平さん作品展 八丁土蔵ギャラリー【花巻】

美しい金色が印象深いテンペラ画が並ぶ安ケ平さんの作品展

 盛岡市在住の画家安ケ平愛美さん(42)の作品展は、花巻市東和町の萬鉄五郎記念美術館「八丁土蔵ギャラリー」で開かれている。美しい金色が印象深いテンペラ画が並び、訪れた人たちを魅了している。2023年2月26日まで。

 テンペラは卵の黄身や酢、顔料などを混ぜて絵の具を作り描画する技法で、主に宗教画などで使われている。

 安ケ平さんは二戸市出身で、岩手大大学院教育研究科修了。学生時代に油彩とテンペラ技法を学び、現在は動植物をモチーフに創作し、今春には同町前田の津島神社にテンペラ技法を用いた天井画を奉納し、話題を集めた。

 今回は絵画やスケッチ、天井画の複製など29点を出展。多くの絵画は、背景に金箔を使用する。このうち十和田湖をモデルに描いたという「とわをつなぐ」シリーズは空や地面に金箔(きんぱく)、石には銀箔を貼り付け、幻想的な景色を浮かび上がらせる。

 安ケ平さんは創作に使用する顔料の原料となる土も自身で採取。同ギャラリー2階には顔料抽出に使用する道具も並べており、天井画に描いた16種類の薬草も県内を散策しながら見つけ出し、散策活動で描いた植物スケッチも紹介している。

 安ケ平さんは「金色は不変の象徴。宗教画にもよく背景に使われる。金箔は外光が入らない場所だと、より一層きれいな輝きを放つのも魅力の一つ」としながら、天井画については「これまでの取り組みを集約する作品。また、どこかの神社仏閣で手掛けることができたら」と話している。

 時間は午前9時~午後4時30分。入場無料。来年1月3日まで休館。問い合わせは同ギャラリー=0198(42)4402=へ。

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