多様な生態 間近に 今春改装オープン 盛岡市動物公園
盛岡市動物公園(ZOOMO)=同市新庄=は、4月中旬にリニューアルオープンする。豊かな自然を生かした里山、牧場、草原などのエリアを設け、動物をより観賞しやすく整備。規模は従来と変わらず、「環境公園」として生まれ変わる。
同公園の再生事業は、市の行財政負担の軽減や公園の自立した運営などを目指し、2019年度に本格的に始まった。獣舎の改修、リニューアル後の修繕・保守管理費などを含めた事業費は約26億円。
園内には▽エントランス▽里山▽牧場▽草原▽サバンナ▽ビクトリア―の6エリアを設定した。このうち里山エリアは、日本の野山に生息する動物の存在や多様な生態が分かるよう自然と一体化した展示とする。緑地化を進め、視界を狭めることで、「わくわく感」を演出するという。
ツキノワグマのパドック付近には、クマと同じ目線で観察できるテラスを新設。公園のシンボルであるニホンイヌワシの展示場には観察用デッキを設け、枝に止まるイヌワシを間近に見られる工夫を凝らした。
リニューアル後は、休止していたサイの展示を再開する予定。仙台市の八木山動物公園フジサキの杜(もり)からクロサイを借り受け、サイ本来の姿が見られる泥浴び場を設けるなど、より魅力が伝わるようにする。
盛岡市公園みどり課によると、現在はランドスケープ工事(園路や広場などの整備)や獣舎などの建築、水道や電気、通信などのインフラ整備を進め、工事全体の進捗(しんちょく)率は約8割という。
同課の富樫正幸課長は「ランドスケープデザインにより魅力的な空間の創出を図り、動物を近くに感じられる設計とした。リニューアルした公園にぜひお越しいただきたい」と話している。
公園は、年末年始などを除いて営業。時間は午前9時30分~午後4時30分(冬季は午前10時~午後4時)。料金は高校生以上1000円、小中学生は500円となる見込み。