県民スポーツの拠点へ 4月1日オープン きたぎんボールパーク
県と盛岡市が同市永井の盛岡南公園内に共同で整備を進めている「いわて盛岡ボールパーク(愛称・きたぎんボールパーク)」は、4月1日にオープンする。プロ野球1軍公式戦が開催できる高規格な球場と屋内練習場、大型遊具を備えたキッズスタジアムなどで構成され、県民スポーツの拠点として多くの利用が期待される。
同市の県営野球場と市営球場が老朽化したことを踏まえ、2019年4月に整備基本計画を策定し、21年6月に着工。施設整備費にオープン後の維持管理・運営費を加えた全体事業費は約108億円。22年12月末現在、工事進捗(しんちょく)率は約96%となっている。
新球場のフィールドは両翼100メートル、中堅122メートルで、プロ野球ヤクルト1軍本拠地である明治神宮野球場と同規格の人工芝を使用。収容人数は2万人(内野1万2000人、外野8000人)。全面フルカラーの発光ダイオード(LED)方式スコアボードを採用した。利用時間は午前5時~午後9時。
一方、新球場と渡り廊下で結ばれる屋内練習場のフィールドは50メートル四方の人工芝で、野球やフットサルなどさまざまなスポーツに対応する。ランニング・ウオーキングコース兼ギャラリーや各種マシンを置いたトレーニングルーム、カフェスペースなどを設置。利用時間は午前8時~午後9時となっている。
屋内練習場の南側に位置するキッズスタジアムには未就学児を対象に、6~7メートル四方の人工芝フィールドに滑り台などの木製アスレチック遊具を用意する。利用は無料。
駐車場は新たに1040台分を整備し、同公園全体で1260台分を確保した。
市スポーツ推進課盛岡南公園野球場整備室の吉田誠量室長は「きたぎんボールパークは野球のみならず、子供の心身の成長を促すキッズスタジアム、複数のウオーキングコースなど回遊性に富んだ施設。市民、県民が日常の健康づくりの場として多目的に利用できる。多くの人に利用いただき、地域活性化や交流促進につなげていきたい」と話している。
きたぎんボールパークの開場に合わせ、盛岡市などは新球場の認知度向上を図るため、4月1、2の両日に県内外の強豪を招待した高校野球の記念試合を計画している。
市によると、試合は4月1日から2日間予定されているオープニングセレモニーの一環。より多くの人に新球場を知り、足を運んでもらおうと計画した。2022年秋県優勝の花巻東、同3位の盛岡大附を軸に調整を進め、県外強豪校も含めてカードは検討中という。
花巻東にはプロ注目のスラッガー佐々木麟太郎主将(2年)がおり、試合が実現すればファンの注目を集めそう。
新球場ではこのほか、初のプロ野球1軍公式戦として5月16日に楽天―ソフトバンクを予定。楽天には普代村出身の銀次選手(盛岡中央高出)と、一関市出身の阿部寿樹選手(一関一高出)がおり、地元での活躍が期待される。6月28日には巨人―ヤクルトも予定されている。