寒風受け 甘味凝縮 凍み大根作り・西和賀
西和賀町内で冬の風物詩・凍み大根作りが行われている。雪景色の中に大根がずらりとつり下げられ、厳寒期の到来を告げている。
秋に収穫した大根の皮をむいて縦に切り、穴を開けてひもを通す。水でぬらしてからさおに掛け、極寒の中で乾燥させる。昼夜の寒暖差で凍結と解凍を繰り返すうちに水分が抜けて甘味が凝縮されるといい、さまざまな料理に活用される。
20年以上前から製造に取り組む同町沢内字若畑の小森一彦さん(76)と妻多惠子さん(74)方では、大根を干す作業が6日から本格化した。自分たちで栽培した約600本を3日間かけて仕込む予定で、7日も好天の下、自宅敷地内のさおに30~40センチの大根を1本ずつつるした。
風通しの良い場所で1カ月ほど寒気にさらした後、まきストーブのある室内でさらに乾燥させて袋詰めする。「今年の大根は大きさが不ぞろいだったけど、品質は例年通り。豚肉やゴボウ、昆布などと一緒に煮しめにするとおいしい。毎年出来上がりを待ってくれている人がいるのでやめられない」と多惠子さん。寒さを生かした凍み大根は、3月末から北上市や町内の産直施設などで販売される。