県内小中学生体力低下 コロナで運動時間減少 スポーツ庁調査
スポーツ庁の2022年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査(全国体力テスト)で、県内の小学5年と中学2年は男女ともに実技8種目を点数化した体力合計点が全国平均を上回った。一方、新型コロナウイルスの影響で運動時間が減少したことなどにより全国同様、小中学生の体力が低下傾向にあることが分かった。
調査は、22年4月から7月まで国公私立の小5と中2の全児童生徒を対象に実施。県内では質問紙調査に小学校282校(児童8741人)、中学校154校(生徒9047人)が参加した。
それによると、50メートル走や立ち幅跳びなど8種目の体力合計点(80点満点)で、県内の小5男子は52・83点(前年度比0・81ポイント減、全国平均52・28点)、同女子は55・75点(同0・83ポイント減、同54・31点)、中2男子は43・46点(同0・28ポイント減、同41・04点)、同女子は49・81点(同1・01ポイント減、同47・42点)といずれも全国平均を上回ったが、前年度に比べ全て低下した。
県教委はコロナ禍で運動の機会や時間が制限される中、スマートフォンやテレビ、ゲームに割く時間が増えたことなどが背景にあるとみている。
一方、授業を除く1週間の総運動時間が60分未満と回答した割合は、小5男子は4・9%(前年度比0・7ポイント増、全国平均8・8%)、同女子は8・0%(同0・1ポイント増、同14・6%)、中2男子は3・4%(同0・1ポイント減、同8・1%)、同女子は10・3%(同0・5ポイント減、同18・1%)となった。
県教委は、これまで推奨してきた毎日60分以上体を動かす「希望郷いわて元気・体力アップ60運動」に加え、22年度から新たに食事1口当たり20回のそしゃく、十分な睡眠時間を確保する「60プラスプロジェクト」を推進している。
保健体育課の菊池勝彦総括課長は「児童生徒一人ひとりの生活習慣の形成を学校生活の充実に結び付け、生涯にわたる健康づくりにつなげていきたい」と話している。