NFT発行へ 花巻・マルカンビル大食堂 ファンコミュニティ形成に活用
花巻市上町のマルカンビル大食堂を運営する上町家守舎(小友康広代表取締役)は、非代替性トークン(NFT)を活用したファンコミュニティ「マルカンビル大食堂デジタル常連部」をつくる。同食堂を応援したいファンがNFTを保有することで、ファン同士や運営側とのつながり、コミュニケーションを生み出す仕組み。地方飲食店のコミュニティサービスにNFTを活用する新たな試みとして注目を集めそうだ。
NFTは世界で一つしかないデータを割り当てる唯一無二のデジタル資産。偽造や改ざんが難しいブロックチェーン(分散型台帳)を活用することで、所有者の所有証明が可能になるほか、転売など二次流通がしやすくなる。
同社は、ソフトクリームやナポリカツなど大食堂で提供実績のある全150のメニュー画像とひもづいたNFTを1種類ずつ発行。国内最大級のNFTマーケット「HEXA(ヘキサ)」で1種類1万円で販売する。
購入すると、NFT保有者のみに限定された特典を受けることができる。例えば大食堂で提供する新作メニュー決定の投票権、大食堂利用時の割引適用、店舗を活用した施策の企画会議への参加といった特典に加え、店舗を活用した企画など保有者が主体的に楽しめる体験も検討している。
また保有者は、同食堂がツイッターを活用して運営するコミュニティ「マルカンビル大食堂デジタル常連部」で保有者同士の交流を図ることもできる。
NFT事業は、遠方に住み大食堂になかなか足を運べないというファンや支援者と関わりを深める場ができないかと考えたのがきっかけ。小友代表取締役(39)は「マルカンビル大食堂を愛してくれるファンとつながる手段。従業員やメンバーにとっては多くの人に応援されていることを実感でき、日々のモチベーションにつながる。NFTの活用方法を模索していきたい」と話す。
NFT購入権は、15日まで応募を受け付けている。マルカンビル大食堂のツイッターアカウントをフォローし、リプライに「大食堂やメニューへの熱い思いやエピソード」とハッシュタグで希望メニュー名(複数可)を投稿して応募する。購入できるのは1アカウントにつき一つのメニューのみで、応募が重複した場合は思いやエピソードを参考に購入者を決定する。