錦絵や面など7点初公開 関連資料添え新収蔵展 鬼の館【北上】
北上市立鬼の館は、同市和賀町岩崎の同館で新収蔵資料展を開いている。鬼が描かれた錦絵や鬼剣舞の面、油彩画など7点を初公開し、所蔵する関連資料と合わせてスポットを当てている。2月19日まで。
2019年度に開催した資料展以降に購入したり、寄贈を受けたりした資料を展示している。今年度購入した「観音霊験記 秩父巡礼 二拾五番 久那 岩谷山久昌寺 奥野の鬼女」は、久那の奥野へと追われ、娘を出産した鬼女を描いた錦絵。幕末の掛け軸「桃太郎之図」は、常設展示していた桃太郎の人形や土鈴を添えて紹介している。
1853(嘉永6)年に版行された「十王讃歎修善鈔図絵」は生前の行いを裁くとされる十人の王の名前や役割のほか、仏道修行に励む意義や死者供養の大切さなどが教示されており、同館が所蔵する地獄絵掛図と一緒に並べた。迫力十分の手作りの鬼剣舞の面、1990年北上みちのく芸能まつり写真コンテストで市長賞に輝いた一枚、踊りの姿勢や刀の持ち方、装束を忠実に再現した躍動的な油彩画「鬼剣舞(平和祈願)」など、市民から寄贈を受けた作品も飾られている。
担当する老林優希主査(27)は「今回コレクションに加わったもの以外にも、鬼の館には鬼の描かれた錦絵がたくさんあるので、知っていただく機会になれば。市民からの寄贈品を中心に、今後も収集した資料を展示、活用する機会を増やしていきたい」と語る。
時間は午前9時から午後5時(入場は4時30分)まで。問い合わせは鬼の館=0197(73)8488=へ。