一関・平泉

どぶろくに陸羽132号 まろやか うま味濃縮 道の駅などで販売へ 藤沢・観樂樓【一関】

新商品「あんちゃんのどぶろく 陸羽132号」を手に完成を喜ぶ佐藤さん

 一関市藤沢町藤沢字馬ノ舟で農家民宿「観樂樓(かんらくろう)」やフラワーガーデン、どぶろく工房を営む佐藤静雄さん(79)は、宮沢賢治ゆかりの水稲品種「陸羽132号」を原料にした新商品「あんちゃんのどぶろく 陸羽132号」を完成させた。販売開始を前に17日には佐藤さん方でお披露目式が行われ、集まった関係者が完成を祝福した。

 陸羽132号は人工交配品種の先駆けとして1921(大正10)年に育成され、賢治が栽培を推奨したとされる。

 町内では市民団体・里山ジャパンが「イーハトーブ」の世界観を表現する自然活動にと、同品種の栽培に取り組んでいる。

 どぶろく造りは同団体共同代表の千葉和弘さん(65)=同町=が長年の知人でもあり同団体メンバーでもある佐藤さんに持ち掛けて始まった試み。

 2022年3月に同団体が佐藤さんに陸羽132号の種もみ約3キロを提供。佐藤さんが近くの田んぼで苗を栽培して10月に約100キロを収穫したという。

 その後、12月中旬ごろから仕込み作業をスタートし、今年1月6日に第1段として85本(720ミリリットル入り)が完成した。

 商品は期間限定品で仕込み作業は7月までに終える見通し。最終的に今季は720ミリリットルの容器で計約250本を出荷する見込み。

 佐藤さんによると、仕上がりは上々といい「まろやか以上に飲み口が良く、コメのうま味が濃縮されている。飲みやすいように甘口にしたので、ぜひ多くの人に味わってほしい」と太鼓判を押し「商品には物語や夢がある。陸羽132号は約100年前に生まれ、宮沢賢治さんが栽培を推奨し、現在栽培されているコメの品種の先祖のような存在。そのドラマを感じながら味わってもらいたい」と語る。

 同団体では2種類のラベルを考案し、販売品には1種類ずつ貼り付けられている。17日は同団体メンバー25人ほどが民宿に集まり、完成を祝った。発起人でもある千葉さんも出来に満足し、「(里山ジャパン)メンバーには小学生もおり、将来はこの子供たちがお酒が飲めるようになるまで佐藤さんと協力して続けていきたい」と述べる。

 市内では道の駅かわさき(同市川崎町)と道の駅むろね(同市室根町)などで19日ごろから販売される予定。後日には観樂樓のホームページでも受け付けを開始する。また、20~23日には東京都のいわて銀河プラザでも数量限定で販売される。

 問い合わせは観樂樓=0191(63)2009=へ。

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