花巻

射止めた「成長の証し」 全日本弓道連盟審査 サガさん(インドネシア出身・花巻南高)初段に

全日本弓道連盟の初段審査に合格した花巻南高のサガさん

 インドネシア出身で県立花巻南高校3年のアデヤカナ・カズコ・ザリア・ヒカリナ・サガさん(17)は、全日本弓道連盟による初段審査に合格した。弓道に魅了されて、2021年に弓道部に入部したサガさんは念願の初段獲得に「本当にうれしい。チャンスがあれば、弐段にも挑戦したい」とさらなる高みを目指している。

 サガさんは父親の仕事の関係で20年に家族4人と来日。21年4月から同校へ転入し、現在は北上市で生活している。

 もともとアーチェリーに興味を持っていたが、父親から弓道の存在を教えてもらったことをきっかけに入部を決めた。

 部活動では言葉の壁もあったが、分からない単語やコーチの指導を部員たちに分かりやすく言い換えてもらうなど、仲間に支えてもらいながら日々鍛錬に励んだ。22年には県高校総合体育大会の団体メンバーにも選ばれた。

 部活動引退後に「自分が弓道で成長した証しを残したい」と初段審査に挑戦することを決意。外部コーチの阿部敏孝さん(68)=花巻市石神町=に指導を受け、昨年11月にビデオ審査と筆記審査に臨んだ。

 筆記審査は英語で行われ、ビデオ審査では「人が誰も見てない中でやるのは、逆に緊張した」と振り返る。合格通知に「本当にうれしかった。自分も日本人の一部になれたように思った」と笑顔をはじけさせた。

 同部顧問の長谷川伸大教諭(52)は「サガさんは飲み込みが早かった。練習で頑張る姿は、他の部員のやる気にもつながった」と称賛を送った。

 サガさんは高校卒業後、関東の大学に進学する予定で、「弓道を始めたおかげで集中力が上がり、自分をコントロールできるようになった。大学でも弓道を続けていきたい」と語る。

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