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港湾と物流拡充へ 北上金ケ崎パシフィック道 整備促進同盟会設立

総会後に記念撮影し、早期整備へ結束を誓う北上、奥州、金ケ崎3市町の首長、議会議長

 北上市と奥州市、金ケ崎町の各工業団地から釜石道江刺田瀬インターチェンジ(IC)を結ぶ道路の拡幅整備、ルート短縮と金ケ崎大橋新設に向けた「北上金ケ崎パシフィックルート」整備促進期成同盟会は19日、発足した。各工業団地と沿岸部の港湾を結ぶ産業拠点道路の確立へ3市町足並みをそろえ、今後企業や団体も巻き込み県などへ早期整備を訴えていく。

 北上南部(北上市)、岩手中部(金ケ崎町)、江刺中核(奥州市)の各工業団地では自動車、半導体関連、食品、製紙などの企業が相次いで立地。港湾利用も見込まれ釜石、大船渡両港をつなぐルート充実が求められる中、各工業団地から江刺田瀬IC間は幅員狭小区間や急カーブが多く、大型車などの通行に支障を来している。

 物流ルート確立と住民の安全、地域経済活性化につなげようと北上市は2020年度からパシフィックルート整備を県に要望。奥州、金ケ崎両市町も22年度同様に要望し、さらに強力に推進しようと3市町の首長、議会議長による同盟会を立ち上げた。

 主な整備要望箇所は、三つの工業団地からのルートが合流する奥州市江刺の観音堂橋下流付近から北上市口内町の国道107号梁川口内トンネル付近までの国道456号9・6キロ区間。広瀬小前や口内川沿いなどの幅員狭小区間の拡幅、急カーブの緩和を求める。

 特に現道が大きく迂回(うかい)し連続カーブのある6・1キロ区間は、新たなルート設置を要望。新設されれば3・5キロに直線化され、4分ほどの所要時間短縮が見込まれる。さらに現金ケ崎橋は幅員が狭く交通量も多いことから、新たに金ケ崎大橋建設を求めていく。

 北上市の江釣子地区交流センターで開かれた設立総会で規約を承認。会長に髙橋敏彦北上市長、副会長に倉成淳奥州市長、監事に髙橋寛寿金ケ崎町長と八重樫七郎北上市議会議長を選出した。

 今後は23年度以降の要望活動に向け情報収集し、各企業や沿岸部などの自治体へ周知し情報交換する。民間企業や団体などにも広く参加を募っていく。

 髙橋市長は、三つの工業団地がさらに機能を発揮し、岩手の経済を牽引(けんいん)する必要性を強調。「既存道路を改修、ショートカットできれば、港湾と内陸部の工業団地が物流面で非常に密接な関わりを持つことができる。多くの皆さんに声を掛けて効果を県民に訴え、県、国、関係団体に要望し早期完成へ働き掛けていきたい」と力を込めた。

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